頑張って努力を続けても、成長の実感が得られません。
努力して何事かに取り組んでいるのに、なかなか成長の実感が得られない。こんな時は焦りが生まれたり、不安になったり、とても苦しいですね。成長の実感が得られないというのは仕事や勉強や家事育児やスポーツなど、何事に対してもありえることです。
実は成長の実感が得られないというその原因には、いくつかの種類があります。つまり成長の実感が得られずに苦しむ原因は1つのパターンではないということです。
どんな原因で自分が苦しんでいるのかが分かれば、たとえ現時点では成長の実感を得られていなかったとしても、冷静に自分と向き合い、そんな時期もあるのだと焦りや不安から随分と解放され、人生を歩んでいけるものです。
では成長の実感が得られない原因には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。次にいくつか紹介します。
【頑張っても成長の実感が得られないときの原因】
1.成長曲線という考え方を知らない
2.成長と共にゴールが動いてしまっている
3.ゴールが遠くにありすぎる(またはゴールがない)
などです。ひとつずつ簡単に解説します。
1.成長曲線という考え方を知らない
まず「1.成長曲線という考え方を知らない」についてです。この成長曲線という言葉は、一般的には子供の身長体重を表すグラフとして有名です。しかし、この成長曲線は身長体重だけではなく技術や知識の習得、人間力の向上などでも使われます。
そして、この成長曲線は人によって成長のパターンが違いますし、同じ人でも取り組んでいる物事によって成長パターンがまた違うのです。たとえば、学校の授業で好きな教科と苦手な教科があり、学びの速度がバラバラなのと同じです。
下の【成長曲線】の図を見てください。ここでは代表的な4つの成長曲線のパターンを①~④で表しています。縦軸が「成長軸」で横軸が「努力軸」です。
この成長曲線の図からわかることは、①~④うち、現時点で成長の実感を得ているのは①の人くらいだということです。
たとえば何か専門的な技術を身につけるとしても、人によって同じくらい努力をしても同じように成長できるとは限りません。
人の成長は、この成長曲線のようにあまり成長の実感が得られない「停滞期」とぐんぐん伸びる「成長期」があるのです。
そして一つ確実に言えることは「停滞期の後には必ず成長期がある」と言いうことです。
停滞期がどれくらいの時間なのかは人によって違いますが、いずれ自分にも成長期が来ることを理解していれば、今すぐ成長の実感が得られないからといってそこまで悩み苦しむこともありません。
2.成長と共にゴールが動いてしまっている
次に「2.成長と共にゴールが動いてしまっている」についてですが、これは自分が成長するにつれて、本来目指していた場所が変化し、いつまで経っても達成感が得られない状態のことです。
たとえばマラソンをしていて、20kmを走りぬいたところで「今日は調子がいいからもう10km余計に走ろう」と、途中でゴールを変更するようなものです。
ゴールを動かすタイプの人は、自分に限界がきて心が折れるまで「もう10km」「もう10km」と延々とゴールを動かし続けます。このような取り組み方はあまりよくありません。
ゴールを動かし続けるクセがついている人は、区切りのない、いつまで経ってもゴールにたどり着けない感覚に陥っています。そうならないためにも、ゴールを動かすことはせず、定期的に振り返って自分を見つめる場所を持ちましょう。
3.ゴールが遠くにありすぎる(またはゴールがない)
最後に「3.ゴールが遠くにありすぎる(またはゴールがない)」についてです。
これも成長の実感が得られない人によくあることなのですが、成長の実感が得られない人はゴール設定が自分に合っていない場合が本当によくあります。
たとえば取り組み期間が長すぎるとか挑戦するレベルが高すぎるという場合です。
もっとひどい場合には、取り組み内容は決まっているが、「いつまでに、何を、どこまでやり遂げるか」といったゴールがない人もいます。
成長の実感は達成感と密接に関係しています。成長の実感が得られない人は、取り組みや学ぶべきことを細分化し、身近な達成感を数多く得られるように工夫をすることが大切です。